洗顔フォームに比べて余分な成分が少なく、肌にやさしいイメージの洗顔用石鹸。
空前の石鹸ブームが到来した一方で、今、この定説が崩れ始めています。
「皮膚がカサカサ、ゴワゴワしてしまう…」「何をしても肌が乾燥したり、つっぱってつらい!」という相談が、とても増えているんです。
肌トラブルの原因は、石鹸洗顔?
石鹸の主な成分は、“牛脂肪分”です。
肌に付着して落ちにくいため、すすぎの時間が長くなったり、肌の表面にも、目に見えない脂肪分を残してしまうことがあるんです。
洗い心地は「キュッ」としてとても気持ちがいいのですが、肌に残る脂肪分は、毎日の積み重ねで“過酸化脂質”になり「肌の老化」の原因になっていきます。
最初はとても透明感が出てキレイになったのに、だんだんとシミが浮いてきたり、乾燥が進んでしまったり…。
ひどい場合には、皮膚が赤い部分と茶色い部分のまだら模様になることがあります。
どうも「ピーリング作用のあるもの」を長期間使った方に、肌トラブルが発生しやすいようです。
「トラブルの原因が石鹸洗顔?」とは、思いつかないかもしれませんね。実際に、石鹸で洗顔していても、肌がとてもキレイな方も大勢いらっしゃいます。
特に、脂性肌の方からは「石鹸洗顔のほうが調子がいい」と、ときどき伺います。
もうひとつの石鹸洗顔の短所は、洗浄力が強すぎることです。脂が取れすぎるので、保湿が十分に追いつかずにインナードライになっているかもしれません。
最近、病院から固形石鹸が消えちゃった?
さらに、肌トラブルの意外な原因が、石鹸には潜んでいます。
最近、病院のトイレで、固形石鹸を見かけなくなってきていますよね。
どうしてだと思いますか? 実は、ケースに置いてある石鹸は、水キリ部分から自然に溶け出していきます。
その溶け出した石鹸水が、ばい菌の培養液になってしまうらしいのです。
毎回水気をふき取って管理できれば安心ですが、たいていはどこかの面が石鹸ケースに付着していますね。
こうして石鹸水により増えてしまったばい菌が「院内感染の原因」になるからと、病院内では使われなくなっているそうです。
こんな風に、石鹸で顔を洗っているつもりが、かえって雑菌を顔になすりつけてしまうこともあるのでは?
肌の調子がよくならないとしたら、原因はそこにあるのかもしれません。
「過ぎ過ぎケア」は、スキンケアの落とし穴?
「アトピーが多いのは、先進国だけ」。そんなニュースを耳にしたことありませんか?
先進国で生活する現代人は、洗い過ぎや殺菌のし過ぎで、雑菌に弱い人間になっている。
ちょっと大げさですが、確かにそんな気もします。
私たちの肌には、うるおいを保つために、“バリアゾーン”があります。
「皮脂腺や汗腺からの分泌物は、皮膚を正常な状態に保つために必要である」という見解もあります。
実際に、肌荒れの人が洗顔を控え角質をしっかり育てたら、前より乾燥しなくなり、小ジワが減ったという例もあります。
キレイになるための洗顔で、肌を傷めてしまっては、意味がありませんよね。
皆さんは「洗い過ぎ」「落とし過ぎ」「つけ過ぎ」「力入れ過ぎ」などの、「過ぎ過ぎケア」に陥っていませんか?